タングステンをめぐる現状:輸入が前年比9割減の衝撃
2026年、希少金属(レアメタル)の一種であるタングステンを含む一部のレアアースについて、中国からの日本への輸入量が前年同期比で最大9割減となっていると報じられている。産経新聞の報道によれば、この急減はG7(主要7カ国)の場でも議論される見通しとなっており、国際的な資源安全保障の問題として注目が高まっている。
タングステンは融点が全金属中で最も高く、超硬工具・電子部品・航空宇宙部品など幅広い産業用途を持つ素材だ。中国はその生産・精製において世界市場の大部分を占めており、供給が滞れば日本の製造業に深刻な影響が及ぶ可能性があるとされる。
中国によるレアアース戦略の背景
東洋経済オンラインの報道では、中国がレアアースやタングステンといった戦略的資源の開発を、トリウムを用いた原子力発電やEV(電気自動車)向け充電インフラの整備と一体的に進めてきた歴史が指摘されている。単なる資源輸出国にとどまらず、採掘から加工・応用技術までを自国内で完結させる「垂直統合型」の戦略を推進してきたとされる。
こうした動きの結果として、日本や欧米諸国がタングステンをはじめとするレアメタルの調達において中国への依存度を高めてきた構造が改めて浮き彫りになっている。
企業活動への波及:中国日本商会が懸念を表明
TBSニュースDIGの報道によると、中国日本商会は「白書」を発表し、日中間の外交的問題が企業活動に波及しないよう日中両政府に要望したと伝えられている。資源調達の問題は外交・安全保障の文脈にとどまらず、現地で事業を営む日系企業の実務にも影響を与えつつあるとされる。
主要レアメタルの対中依存度(参考)
| 素材名 | 主な用途 | 中国の世界シェア(概算) |
|---|---|---|
| タングステン | 超硬工具・電子部品・航空宇宙 | 約80%以上(生産・精製) |
| レアアース(全般) | EV・風力発電・スマートフォン | 約60〜70%(生産) |
| ガリウム・ゲルマニウム | 半導体・光通信 | 約80%以上(精製) |
※上記数値は各種報道・公開資料をもとにした概算であり、年度・集計方法により異なる場合がある。
SNS・ネット上の反応
今回の報道を受け、SNS上ではさまざまな声が広がっているとされる。
- 「タングステンがないと工作機械の刃先が作れない。製造業への影響が心配」という懸念の声がある。
- 「サプライチェーンの多元化をもっと早く進めるべきだった」と代替調達先の確保を求める意見も見られる。
- 「G7での議論に期待したいが、実効性ある対策が出るかが問題」と国際協調の実効性を疑問視する声も上がっている。
- 一方で「日本国内にもタングステン資源の探索余地はあるのでは」と国内資源開発への関心を示すコメントも話題になっている。
今後の焦点
タングステンをはじめとする戦略的資源をめぐる問題は、以下の点が今後の注目ポイントとなりそうだ。
- G7での対応策:各国が足並みをそろえた調達分散・備蓄強化の枠組みを打ち出せるか
- 代替調達先の開拓:カナダ・オーストラリア・ポルトガルなどでのタングステン鉱山開発加速の可能性
- 国内リサイクルの拡大:超硬工具の使用済み品からタングステンを回収・再利用する技術の普及
- 日中外交の動向:商会が求めるように、経済・通商分野への影響を最小化する外交的解決の可否
資源安全保障の問題は一企業・一業種の課題にとどまらず、日本の産業構造全体に関わるテーマとして引き続き動向が注目される。
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